sozinkouのブログ

取るに足らないナニカが素人考えを綴る場所

陰謀論

「頭の良い人」は陰謀論にハマるか、学術誌に論文が掲載…「面白くない」研究結果は心理学者を奮い立たせた(読売新聞オンライン) - Yahoo!ニュース

 

端的に結論を書けば、熟慮性が低い人、社会に対する不安や不満が強い人ほど陰謀論を信じやすい。そして熟慮性の方が影響が大きい。

 

で、この論文の裏テーマ「頭が良すぎて陰謀論にハマる」

陰謀論に嵌まるのは陰謀論を信じたい動機があるからで、「社会に対する不安や不満」という陰謀論に嵌まりやすい人の特徴はその動機の1つを浮き彫りにしたということになるが、逆に言えば動機の一つに過ぎない。他にも劣等感とか自己肯定感が低いなんかも動機としてあるのではないだろうか。もっと言えばその動機をなぜ持つのかに鍵があるのではないだろうか。

一方で熟慮性というのはそのような動機とは関係のない人の性質。

 

それを頭の良い人に当てはめてどう考えるか。

頭が良い人間も陰謀論を信じたい動機を持っている。例えば、社会に対する不安や不満もあれば、自己評価と自分に対する社会評価のギャップなどもあるだろう。

しかし、その動機を持つとしても陰謀論に嵌まるかどうかは別なわけで、嵌まりやすい人と嵌まりにくい人の差は、そのギャップの解消……頭の良い人とそれ以外の人の自己愛の満たし方や頭の良い人とそれ以外の人の社会不安や不満のストレスの解消法などに違いがあるのかもしれない。

言い換えれば、頭の良い人は陰謀論を信じやすい自己愛の満たし方やストレスの発散法に陥りやすい可能性などを考えた方が良いのではないだろうか。

 

次に熟慮性。熟慮性の低さは一時的や局所的である可能性もあり、熟慮性の低さと陰謀論の関係自体は頭の良い人間が陰謀論に嵌まることと矛盾しない。或いは、頭の良い人間の熟慮性が陰謀論を正しいとする結論から論理を導く、論理を検証するのに使われてしまう可能性もある。

陰謀論というのは陰謀論なりに理論武装をしている。その理論武装をバイアスのかかった熟慮によって検証して、信心を強化してしまう可能性もある。これは頭が良すぎて陰謀論に深く嵌まると言える現象かもしれない。

 

纏めると、頭が良すぎるから陰謀論に嵌まるということはないが、頭が良くても陰謀論を信じたい動機を持つものは陰謀論に嵌まりやすい。しかし動機そのものではなくそのストレスとの向き合い方の個性の影響が強いのかもしれない。そして頭が良い人故の熟慮性の使い方を誤ると陰謀論への信心が強化される恐れがある。(頭の良い人が強いバイアスのまま熟慮性を発揮してしまってい現象は例えば優生論でも見られる)

蛇足として、頭が良い人が無能な働き者に化した場合、その経歴や陰謀論以外では発揮される鋭い熟慮性などによって、人を先導、扇動する側に立ち、悪目立ちして、人の印象に残るのかもしれない。