陰謀論を信じるというのは、自分の信じたいものに合う屁理屈を探すって行為が先にあるんです。陰謀論を信じている人というのは理屈を求める人なんです。
私の中では陰謀論とオカルトは同じものの裏返しです。陰謀論を唱える人にとって現実に起こってることは超常現象なんですよ。その超常現象を受け入れるには、逆に言えば、超常現象のない真っ当な現実を取り戻すには隠された真実が絶対的に必要なんです。ちなみにオカルトとは信じたいものが逆です。超常現象を信じるために現時点における自然科学での説明ができない隠された真実が必要なわけです。
そもそも大辞泉のオカルトの項には「隠れて見えないこと」という意味も書かれていますし、陰謀論をオカルトと表現するのはぴったりなんです。
ただ不快だ、嫌いだって言えば良いものをそう言ったら感情的だと馬鹿にされると思っているのか（実際にそういう人を実際に馬鹿にしていますし）、それともそういうものを社会から完全に排除するためなのか、そういうものを論理で全否定しようとして陰謀論に嵌まる人たちもいます。思考の出発点が論理ではなく感情という理屈の通らないものであるものにも関わらずそれを自覚せずに自己正当化するため、或いは社会から排除するために結論ありきで理屈を探している人たちです。
リベラルや左派の気質ややってることを考えたらわかると思いますが、リベラルや左派にも陰謀論を信じてる人がウンザリするほどたくさんいます。
例えば権力が隠されて裏で行使されているというような陰謀を全く疑わないというのは、権力を利するものでしょう。しかし証拠もなくそれを真実のように語られても不信が募るだけです。あからさまにおかしいものを真実のように語られても「こいつヤバい」と思うだけです。それも見抜けない取り巻きについても不信を持ったりヤバいと思ったりします。
もっと言えば、陰謀の真実（例えば裏で権力を行使したか否か）は、陰謀を疑われているものにはそれに関する真実のすべてがわかります。ということは、陰謀を疑われているものは、その陰謀を唱える人間の唱え方によって能力や人間性の測定が可能だと言うことです。
わかりにくいですか？ネトウヨはすぐに韓国人とか中国人とかレッテルを貼るでしょ？しかしレッテルを貼られた側は自分が日本人だとわかっている。するとそのネトウヨの底は知れるでしょ？ああこいつは自分の脅威にならないなって。
相手の脅威になるには、真実ではないものを真実としない能力も必要です。様々な仮説を立てて、その実証のための情報を集めて、真実を真実として提示しようとする姿勢が必要です。
