sozinkouのブログ

取るに足らないナニカが素人考えを綴る場所

PCR検査抑制論

 人流に含まれる無症状の新型コロナ感染者が感染を広げているという問題の解決を考えます。

これには人流から無症状の感染者をできるだけ取り除く、人流そのものを無くす、そして、その両方が考えられると思います。

人流を無くす政策は取られています。そしてその極限がロックダウンです。そちらの対策にはここでは言及しません。

一方、無症状の感染者を人流から取り除くには無症状の人間を見つけるしかありません。そして無症状の感染者を見つけるには検査するしかありません。検査の信頼性が劣るなら改善すべきものであって、それによって検査の拡大を否定する、或いは検査の検査の対象を強く絞るのは、無症状の感染者を見つける事の放棄に他なりません。逆に言えば、PCRの検査の抑制論者、事前確率重視論者などは、無症状の感染者を見つけて感染拡大を防ぐという事を課題として設定していなかった、或いは設定したくなかったのではないかと言うことになります。いずれにせよ新型コロナの感染拡大の中で感染拡大防止より重要な何かがあったのでしょう。

従って、PCRの検査の抑制論者、事前確率重視論者などに言うべきはPCR検査の信頼性に関する正しい情報の啓蒙ではなく「PCR検査を行わないでどうやって無症状の感染者を見つけるのですか?」という問いだったと考えます。そして無症状の感染者を見つける気が無いような返事だったなら「無症状の感染者は新型コロナの感染を広げないのですか?あるいはその影響は無視できる程度とお考えですか?」と問うべきだったのです。

 そうすればPCR検査の有用性を毀損する先にある目的や動機、彼らの持つ費用対効果や経済などバイアス等も明らかにしやすかったと考えます。

 

さてここからは算数です。

無症状の感染者が1000人に一人いるとします。100万人の人流の中には1000人の無症状の感染者がいる事になります。

ここで人流の七割減という政策が実現されれば、100万人の人流は30万人となり、その中に300人の無症状の感染者がいる事になります。言い換えれば70万人の人流を抑えることによって700人の無症状の感染者が市中で非感染者と接触する事を防げたことになります。

ということは、広くPCR検査を行うことによって700人の無症状の感染者を見つければ、人流はそのままで人流の7割減と同じ効果があると言うことになります。

これは物事を単純化しすぎていることは確かです。 人流が7割減れば、密などはできにくい、感染者が非感染者と接触する機会も減るでしょうから、30万人に300人と100万人に300人のどちらがリスクが高いかは条件により変わることもあるでしょう。またPCR検査で700人を見つけるのも簡単ではないでしょう。

しかし、スクリーニングテスト(この適切な規模は私にはわかりません)を行い、濃厚接触者の定義をなくして、より広く接触者を検査すれば、従来の方法で見つけられなかった人を見つけて、人流を減らすのと同じ効果が得られたことは確かです。

コロナ禍において、今より広範なPCR検査による無症状者の発見を非効率だと考えるのではなく、PCR検査によって無症状者の発見する効率の良い方法を考えるのが頭の良い人のすべきことだったのだと私は思います。

 そもそも人流を減らす前手段としての人流を減らさずに人流を減らすのと同じ効果を見込める無症状者の発見を疎かにして何がしたかったのでしょうか(もちろん人流そのものを抑える必要がある段階というのもあります。デルタ株でその段階は早まっているのでしょう)。それ以外にも感染者を減らす努力の足りない、対策が偏っている経済優先、特定の業界優先の政治、行政の目指したウィズコロナはウィズ緊急事態宣言として経済にダメージを与え続けています。いったい何がしたかったのでしょうか。